- 比較検討をする際、「リフォーム比較サイト」などを利用した方がいいのでしょうか?
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いいえ、利用はおすすめしません。手軽さの裏に「仲介手数料による費用の割高化」や「過度な価格競争による手抜き工事のリスク」が潜んでいるためです。結果的に安くて高品質な施工を求めるなら、比較サイトを使わず、リフォーム会社に直接問い合わせて比較検討することを強く推奨します。
「中古住宅を購入するので、引っ越し前にリフォームをしたいけれど、どの会社がいいかわからない…」
「『姫路 リフォーム 比較』で検索して出てくる、まとめサイトや一括見積もりサイトって便利そうだけど、実際どうなの?」
リフォームを比較検討する際、まず思いつくのが「リフォーム業者比較サイト(一括見積もりサイト)」の利用ではないでしょうか。一度の問い合わせで複数の会社から見積もりが取れるため、忙しい方には非常に魅力的なサービスです。
しかし、実はこの便利なシステムの裏側には、一般の方がほとんど知らない「業界の闇」とも言えるデメリットが潜んでいることをご存知でしょうか?
比較サイトを経由すると「見積もり金額が高くなりやすい」カラクリ
「サイトの利用料は無料」と書かれているため、お客様には損がないように思えます。しかし、ビジネスの仕組みを紐解くと、決してそうとは言い切れません。
見積金額に成約手数料分が上乗せされている可能性
比較サイトはボランティアではありません。お客様とリフォーム業者を仲介し、契約が決まるとリフォーム業者から「紹介手数料」をもらうことで利益を得ています。
一般的に、その手数料はサイトサービスによりまちまちですが、動画の中では「契約金額の6%」と取り上げられていますので、6%を例に考察してみましょう。

リフォーム業界の利益率はそれほど高くありません。(平均すると20%~30%)そこから6%もの手数料を引かれてしまっては、業者は利益を確保できなくなってしまいます。ではどうするか?
「手数料の分を、あらかじめ見積もりに上乗せする」
という経営判断にならざるをえなくなってきます。
つまり、直接その工務店に頼めば300万円で済んだ工事が、サイトを通したばかりに318万円になってしまう可能性があるということです。
比較サイトによる価格競争で「安かろう悪かろう」を招きやすい
比較サイトのもう一つの特徴は、一度に複数社の相見積もり(あいみつもり)になる点です。
「たくさんの会社を比較できて良いことでは?」と思われるかもしれませんが、ここにも落とし穴があります。
手抜き工事や追加請求のリスクが高くなりやすい
例えば8社が一斉に見積もりを出すとなると、業者間では「価格競争」が起こります。契約を取りたい業者は、他社に勝つためにギリギリまで(時には赤字覚悟で)安く見積もりを出そうとするでしょう。
しかし、そういった無理な値引きには、必ずと言っていいほど「ひずみ」が生まれます。
- 材料のグレードを目立たないところで落とす
- ベテランではなく、経験の浅い職人を使い人件費を削る
- 工期を無理やり短縮して雑な工事になる
- 契約後に「ここも直さないとダメです」と追加料金を請求する
つまり「とにかく安く!」を追求した結果、品質が犠牲になり、結果として満足のいくリフォームにならないリスクが高まるのです。成約手数料が掛かる上に、相見積もりによる価格競争という背景が、良いモノを提供しにくい構造になっているのです。
比較サイトで紹介されているリフォーム会社が「優良」とは限らない
「審査を通過した優良業者のみを紹介!」と謳っているサイトも多いですが、サイトの運営会社の目的はあくまで「業者を紹介すること」であり、「工事の品質を保証すること」ではないのです。
そのため、審査基準はサイトによってまちまちです。そもそもどういう基準で審査しているのかもわかりませんし、比較サイトの運営者もビジネスですから、お金を払えば掲載してくれるところもあるぐらいです。
そのため、登録業者の中には、本来リフォームに必要な知識や技術が不足している会社が含まれている可能性もゼロではないのです。
家電量販店やホームセンターのリフォームは「丸投げ」のリスクが高くなりやすい
比較サイトには載ってない中で、価格の安さから選択肢の一つに入りやすいのが、家電量販店やホームセンターのリフォームかと思われます。
家電量販店やホームセンターのリフォームは、「商品が安い」「大手の看板があるから安心」と思われがちですが、「下請け構造」という大きな問題があります。
実際には誰が工事に来るかわからない
家電量販店のスタッフは、あくまで「販売」のプロであり、工事のプロではありません。実際に工事を行うのは、量販店と提携している外部の「下請け業者(協力会社)」です。
だからこそ、大きく3つのデメリットが生まれてしまいます。
- 担当者の一貫性がない(伝言ゲームの発生)
- お店で相談した「販売員」、現地調査に来る「専門スタッフ」、実際に工事をする「職人」。これらがすべて別の人(別の会社)であるケースがほとんどです。
- 「営業さんに伝えた要望が、現場の職人さんに伝わっていなかった」というトラブルが起きやすくなります。
- 職人の「腕」を選べない(職人ガチャ)
- 地元のリフォーム店であれば、「この工事は難しいから、ベテランのAさんにお願いしよう」と、工事の内容に合わせて最適な職人を選びます。
- しかし量販店の場合、システム上で「その日スケジュールが空いている下請け業者」に発注されることが多く、どんな技術レベルの職人が来るかは運任せになってしまいます。
- 挨拶や気配りが苦手な「作業員」気質の人が多い(意外と知られていないストレスの要因)
- 量販店の下請け業者は、あくまで「作業を請け負っているだけ」という意識が強いため、「お客様へのサービス」という意識が希薄な人が多い傾向にあります。
- 挨拶がまともにできない、無愛想で話しづらい、質問をしても「それはお店の人に聞いて」と突き放される、家の中での配慮(養生や掃除、家具の扱いなど)が雑
- 地元の工務店であれば「次の仕事につなげるためにお客様と信頼関係を築こう」とする営業マインドを持った職人が多いですが、単発の下請け仕事ではそういった配慮が欠けがちになり、工事中に不快な思いをされるお客様も少なくありません。
以前、弊社でリフォーム工事をお請けした施主のケースでは、
- 中古住宅を購入した際の仲介不動産会社の紹介するリフォーム会社、ホームセンターのリフォーム、弊社の3社で、リフォーム工事の比較検討をした。
- ホームセンターのリフォームは、下請けの会社から連絡があったが、態度が非常に悪く不快に感じた。
- 不信に感じ、今後やり取りを続けるのは難しいと判断したため、即ホームセンターに断りの連絡を入れた。
という出来事があったとのこと。
工事費が安すぎて「手抜き」を誘発する可能性もある
量販店のリフォームは「工事費コミコミパック」などで安さを売りにしていますが、そのしわ寄せは下請け業者に行きます。下請け業者は、量販店が決めた「非常に安い工事単価」で仕事を請け負わなければなりません。
そうなると、職人によっては「こんな安い単価で丁寧な仕事はやってられない」と、見えない部分で手を抜いたり、数をこなすために工事を急いだりするリスクが高まります。
特に、築20年以上の戸建てなど、イレギュラーが発生しやすいリフォームの場合、マニュアル通りの対応しかできない量販店では対応しきれないケースも多々あります。
では、どうやって業者を選べばいいの?
比較サイトを使わずに、姫路で信頼できるリフォーム業者を見つけるにはどうすれば良いのでしょうか?色々あり絶対的な方法はありませんが、以下の点を意識しながら、探してみるといいかもしれません。
ホームページやSNSなどの自社発信情報やGoogle口コミを鵜呑みにしない
「ホームページがおしゃれ」「インスタのフォロワーが多い」「Google口コミの星が多い」
これらだけで判断するのは危険です。
- ホームページやSNSは「良く見せる」ことができる
- 今の時代、お金をかければ実力以上の立派なホームページは誰でも作れます。また、掲載されている施工事例は「うまくいった現場」だけを選りすぐったものかもしれません。
- 口コミの「星の数」だけを見ない
- Googleマップなどの高評価も、サクラや身内による投稿、あるいは「口コミを書けば値引き」といったキャンペーンで集められた可能性があります。
ネットの情報はあくまで「参考程度」にし、最終的には「実際に会って話したときの感覚」を信じることが重要です。
以前、弊社でリフォーム工事をお請けした施主のケースでは、
- 弊社と契約する前に別のリフォーム会社と契約をし話を進めていた。
- その会社はGoogle口コミではたくさんの口コミがあり高評価であった。
- 契約後に何も変更していないのに、「金額が間違えていた」言われて勝手に金額を訂正され、話を進めていこうとした。
- 不信に感じたためネットで検索すると、悪評が多く、契約を解除した。
という出来事があったとのこと。
「建設業許可」を持っているか確認する
実は、500万円未満の小規模なリフォーム工事は、国や県からの「建設業許可」がなくても行うことができます。そのため、建設業許可無しで営業しているリフォーム業者も世の中にはたくさん存在します。
もちろん「許可がない=悪徳」ではありませんが、あえて「建設業許可」を取得している業者は、一定の資金力と技術力、そして社会的信用がある証明になります。ホームページの会社概要欄を見て、許可番号が記載されているか確認してみましょう。
◎「社長が現場に出ている」会社が最強
ここが最も重要なポイントです。
もし小さなリフォーム会社を選ぶのでしたら、「社長自身が大工(職人)や現場監督である」会社を選んでください。(できることなら元より現役の方がオススメです。)
- 「できない約束」をしない
- 現場を知らない会社の場合、営業マンが契約欲しさに「できます!安くします!」と無茶な約束をし、現場でトラブルになることがあります。
- トップが技術屋の会社では、営業担当者も現場の重要性を理解しているため、社内で密に連携を取り、実現可能な誠実な提案を行います。
- 技術レベルの基準が高い
- 社長が元職人であれば、現場の仕上がりに妥協を許しません。「自分の顔に泥を塗るような仕事はさせない」というプライドがあるため、会社全体の施工品質が高く保たれます。
- 何かあった時の対応力
- 万が一のトラブル時も、マニュアル対応の量販店とは違い、現場を知り尽くした社長の判断でスピーディーな解決が可能です。(リフォームは思わぬトラブルも起きやすいため対応力はとても重要)
リフォーム業者比較サイトは手軽で便利ですが、「仲介手数料による割高化」や「過度な競争による品質低下」といったリスクも潜んでいます。
大切な我が家のリフォームです。「少しでも安く」という気持ちもわかります。ですが、「安さ」「手軽さ」だけで選ぶのではなく、少し手間に感じるかもしれませんが、直接問い合わせて担当者の対応含め判断していきましょう。その方が結果的に安くて高品質なリフォームへの近道になります。
