
「せっかく終の棲家を選んだのだから、安全で快適に暮らしたい。でも大がかりなリフォームは費用が心配…」シニア世代の中古マンション購入では、そんなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。
築年数のある物件は、一見きれいに見えても、段差・古い設備・和室の使いにくさなど、長年の生活を重ねるうえで気になる箇所が出てくるものです。しかし、全体をリノベーションしなくても、優先順位を絞って工事を行えば、予算を抑えながら安全で快適なシニアライフを実現することができます。
今回は、弊社の不動産事業部「ハウスドゥ中地南」でご購入いただいた姫路市下寺町・築38年のマンションで実施した、シニア向けバリアフリーリフォームの事例をご紹介します。
ご依頼の背景と施主のご要望
今回リフォームをご依頼いただいたのは、姫路市下寺町の築38年のマンションを購入されたシニアのご夫婦。弊社の不動産事業部「ハウスドゥ中地南」で仲介し、その後ワンストップの流れで購入後のリフォームへ着手していきました。
姫路市下寺町の築38年のマンションを購入されたシニアのご夫婦より、入居前のリフォームをご依頼いただきました。
物件は築年数の割にはかなりきれいな状態で、クリーニングを入れればそのまま住める状態でした。しかし、シニアライフを安全・快適に過ごすことを最優先に考え、コストを抑えながら気になる箇所を整理してリフォームプランを組みました。
- 浴室: 狭くて使いづらいので、もう少し広くしたい
- トイレ・洗面室: 床に大きな段差があり、つまずきが心配
- 和室: 使い道がないので、廊下やLDKとフラットにつながる洋室にしたい
- 洋室: 新築当初からのカーペットなので、フローリングに替えたい
- キッチン: 予算を抑えつつ、使いやすく現代的にしたい
物件は築年数の割にはかなりキレイな状態でした。そのままでもクリーニングを入れれば住める状態ではありましたが、シニアライフを快適にすることを考え、コストを抑えながらに気になる箇所をリフォームすることにしました。
- 浴室をワンサイズ拡張し、ゆとりある入浴空間へ
- 洗面側の壁を移動させてユニットバスをサイズアップ。浴槽・床・壁のデザインにもこだわり、殺風景だった浴室が落ち着いた空間へと生まれ変わりました。将来的な介助も見据えたゆとりある広さを確保しています。
- 段差を徹底的に解消し、転倒リスクを低減
- 洗面室とトイレの間にあった7cmの段差、廊下・LDKと和室の間にあった4cmの段差を、いずれもフラットに解消しました。足元の安全性を高めることが、今回のリフォームの最重要テーマのひとつでした。
- 和室をフラットな洋室に一新
- 畳をフローリング(LL45)に張り替え、LDKや廊下と段差のないフラットな洋室へ。襖を撤去して建具を新調し、押入もシートを貼って洋室として使いやすい収納に仕上げました。
- カーペットを明るいフローリングに張替え
- 新築当初から使用されてきたカーペットをフローリングに張り替え。明るい床色で部屋全体の印象も一新しました。
- キッチンはコストを抑えて設備を刷新
- システムキッチン本体はきれいな状態だったためそのまま活かし、ガスコンロのIH化とビルトイン食洗機の新設に絞って工事を実施。分電盤・給湯器も合わせて交換しました。
物件概要
| 物件種別 | マンション |
| 住所 | 兵庫県姫路市下寺町 |
| 竣工年月 | 1987年(リフォーム当時 築38年) |
| 構造 | SRC(鉄骨鉄筋コンクリート) |
| 工事箇所 | UB交換、洗面+トイレの内装、IHと食洗機の新設、和室の床変更、給湯器の交換等 |
リフォーム内容
- ユニットバスの拡張交換(サイズアップ+デザイン刷新)
- 洗面室・トイレの内装リフォーム(床・壁の張替え、洗濯パン交換)
- トイレの段差解消(洗面室との7cm段差をフラット化)
- 和室の洋室化(畳→フローリング、4cm段差解消、建具交換)
- 洋室カーペット床のフローリング張替え
- ガスコンロのIH化+ビルトイン食洗機の新設
- 分電盤の交換
- 給湯器の交換
ユニットバスの拡張交換
Before:小さなユニットバス

元々のユニットバスは殺風景な印象でした。また、1116とサイズが小さいため窮屈な印象も受けます。
After:洗面側の壁を移動させ、交換するユニットバスのサイズを拡張





洗面側の壁を移動させ、交換するユニットバスのサイズを拡張。浴槽や床の色をグレー、壁はモザイクアクアを使用し、落ち着いたリラックス空間へと生まれ変わりました。
なお、給湯器がベランダにあり、マンションの管理規約上、追焚きへの交換はできなかったため、変わらず差し湯機能となりました。浴室を拡張した分、洗濯パンの移動や洗面室の床・壁も合わせて張り替えています(洗面化粧台はそのまま使用)。




マンションのユニットバス交換でサイズを拡張する場合、隣接する洗面室の壁を移動させることで対応できるケースがあります。今回もその方法を採用し、脱衣スペースの一部を浴室側に取り込む形で拡張しました。
シニア向けの観点では、浴槽のまたぎ高さを抑えた設計や床の滑りにくい素材選びも重要です。将来的に介助が必要になった場合を想定したゆとりある広さにしておくことで、大がかりな再リフォームを避けることができます。
トイレの段差解消
Before:洗面室から7cmも下がっているトイレの床
リフォーム前の状態では、「洗面室エリア」と「トイレエリア」との床の差が7cmもありました。この状態はシニア向けには望ましくありません。

After:トイレの床の高さを洗面室の床と同じ高さにリフォーム

トイレは天井高があったため、床のレベルを洗面室と同じ高さに合わせることができました。見切り材は残しつつ、フラットな床に仕上げています。同時に、トイレの床・壁も張り替えてリフレッシュしました。
厚生労働省のガイドラインでも、住宅内の段差は2cm以下が推奨されています。特に高齢者の転倒事故は自宅内で多く発生しており、水回りの段差解消は介護予防リフォームとして最も優先度が高い工事のひとつです。今回のように天井高に余裕があれば、床レベルを上げることで段差をゼロにできるケースがあります。
高齢者の転倒事故は、屋外よりも自宅内で多く発生しています。なかでもトイレ・脱衣室などの水回りは、夜間の使用頻度も高く、足元への注意が散漫になりやすい場所です。7cmという段差は若いうちは気にならなくても、加齢とともに大きなつまずきリスクになります。
トイレは天井に高さがありましたので、床のレベルを洗面室の床と同じレベルに合わせることにしました。見切り材は残しつつフラットな床に仕上げ、同時に床・壁も張り替えています。
和室の洋室化
Before:大壁タイプの和室で、他の部屋の床から4cmの段差がある




元々の部屋は大壁タイプの和室で、壁はクロス貼り・床が畳・天井は目透かし天井でした。廊下やLDKとの段差は4cmほどありました。

After:和室の床をLDKや廊下と同じレベルにしてフラット化





畳を撤去し、木目調のシートフローリング(LL45)でフラットな床に仕上げました。
また、襖を全撤去し、建具(引違い+開き戸)も新調。押入の内部もシートを貼り、洋室として使いやすい仕上がりにしています。





マンションで和室を洋室化する場合、必ず確認が必要なのが遮音規定です。多くのマンションの管理規約では、フローリング材の遮音等級(LL値)が定められており、基準を満たさない材料の使用は認められません。今回はLL45のシートフローリングを採用し、規約に適合した施工を行っています。
また、畳からフローリングに変える際には、床の高さが変わることへの対応も必要です。今回はもともと段差があったため、フローリングの厚み調整も兼ねてフラット化を実現できました。
和室の洋室化はコストが掛かりやすいリフォームですが、床だけでもフラットにすることで、シニア向けにも多くのメリットがあります。
- 段差がなくなり、転倒リスクが下がる
- 車いすや歩行器が使いやすい環境になる
- 掃除がしやすく、ダニ・アレルゲンの発生を抑えやすい
- LDKとのつながりがフラットになり、空間を広く使える
- 将来の介護動線にも対応しやすくなる
カーペット床のフローリング張替え
Before:洋室の床が新築時当初からのカーペット敷



築年数の割にはカーペットの見た目はきれいなものの、38年間使用されてきたカーペットには、見えない汚れやダニが蓄積している可能性があります。シニアの方の健康面を考えると、フローリングへの切り替えは重要な判断です。
After:床を木目調のシートフローリング(LL45)に張替え



明るい床色にしたことで、部屋全体も明るい印象になりました。また、床色に合わせて巾木も新設しています。
ビルトイン食洗機新設、ガスコンロをIHに、分電盤や給湯器なども交換
システムキッチンはきれいな状態でしたので、予算のバランスを考えてそのまま使用することになりました。
ただし、以下の設備を刷新しました。
- ガスコンロ→IHクッキングヒーターに交換(火を使わないため安全性アップ)
- ビルトイン食洗機を新たに組み込み(家事負担の軽減)
- 分電盤を新しいものに交換(IH・食洗機の電力に対応)
- 給湯器を交換(使用年数10年超のため、このタイミングで更新)




キッチンは、キレイに使われているとはいえ年数が経っていたため、もし予算に余裕があるのでしたら、システムキッチン丸ごと入れ替えることをオススメします。
というのも、古いシステムキッチンに新しい設備を組み込む場合、設置できるものの色や形が等合わないことも多いです。また、目に見えないところが油などで錆びていたりすることもあるからです。今回は、予算的にどうしても抑えたいということで、コンロと食洗機のみの工事となりました。
ガスコンロからIHへの変更は、シニア向けリフォームで非常に人気の高い工事です。火を使わないため火災リスクが大幅に低減され、吹きこぼれの掃除もしやすく、天板がフラットなため安全性・清潔性ともに向上します。また、ガス管が不要になる場合はランニングコスト面でも有利になることがあります。
なお、古いシステムキッチンに新しい設備を組み込む場合、設置できる機器のサイズや色・形が合わないケースも多くあります。また、目に見えない部分に油による錆が発生していることもあります。予算に余裕があれば、システムキッチンごとの入替をご検討されることをおすすめします。
その他には、IHや食洗機を設置するため分電盤も新しいものに交換。また、給湯器も10年を超えていたため、このタイミングで新しくすることにしました。




リフォーム費用について
今回のリフォーム(ユニットバスの拡張交換・和室の洋室化・カーペット床の張替え・トイレの段差解消リフォーム等)の総額は、約320万円(税込)でした。
<費用の目安>
- ユニットバス交換:約110万円(税込)
- 洗面室・トイレ工事:約40万円(税込)
- 洋室(カーペット貼)床工事:約17万円(税込)
- 和室と押入工事:約66万円(税込)
- etc・・・
このリフォームで実現した「シニアが安心して暮らせる家」のポイントまとめ
| 課題 | リフォーム内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 浴室が狭く使いづらい | UBをワンサイズ拡張 | 入浴しやすく、将来の介助にも対応 |
| トイレへの7cmの段差 | 床レベルをフラット化 | 転倒リスクを大幅に軽減 |
| 和室との4cmの段差 | フローリング化で段差解消 | 車いす・歩行器での移動もスムーズ |
| 古いカーペット | フローリング張替え | 清潔・掃除しやすい環境に |
| ガスコンロの火災リスク | IH化 | 安全性向上、操作が簡単に |
| 食洗機がなく家事が大変 | ビルトイン食洗機を新設 | 家事負担を軽減 |
今回のリフォームでは、当初「気になる箇所だけを部分的に直せればよい」というご要望からスタートしました。しかし、シニアライフを安全に過ごすうえで優先すべき工事を一緒に整理していくなかで、「せっかくなら将来のことも見据えて、やれるところはまとめてやっておきたい」とご決断いただき、今回の工事内容へと広がっていきました。
「どこから手をつければいいかわからない」「予算内でどこまでできるか相談したい」といったお悩みをお持ちの方も、どうぞお気軽にご相談ください。弊社では、不動産の購入からリフォームまでをワンストップでサポートしており、ハウスドゥ中地南でご購入いただいた物件はもちろん、他社で購入された物件のリフォームもお受けしています。段差解消・バリアフリー化・和室の洋室化など、姫路市内でのシニア向けマンションリフォームの実績も豊富です。相見積もりも歓迎しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
