- 購入検討している姫路市内の中古住宅に追い焚き機能が備わっていません。給湯器やユニットバスを追い焚き機能付きに変えられますか?
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戸建の場合はほとんどのケースで可能ですが、マンションの場合は構造や管理規約によって”できない”ことも多いです。
「中古住宅を買って、あれこれリフォームしたい!」そのリフォーム要望の中の一つに、「お風呂に追い焚き機能を付けたい」というご相談もよく受けます。
- 家族の入浴時間がバラバラでもいつでも温かいお風呂に入りたい
- 半身浴などで長時間一定の温度のお風呂に入りたい
- お湯(水道代やガス代)を節約したい
など、追い焚き機能は今や快適なバスライフに欠かせない設備ですよね。
しかし、マンションにおいては、この「追い焚き機能の後付け」が簡単な話ではないケースもあります。
「追い焚き」の仕組みとは?
なぜ追い焚きの後付けが難しい場合があるのかをご理解いただくために、まずはその仕組みから見ていきましょう。
追い焚きは、浴槽に溜まったぬるくなったお湯を、給湯器まで一度送り、そこで温め直してから再び浴槽に戻す、という循環システムです。
このお湯の循環のために、給湯器と浴槽の間には、「お湯を送るための管(往き)」と「温め直したお湯を戻すための管(戻り)」という2本の専用配管が追加で必要になります。
この「2本の専用配管を新たに通せるかどうか」が、リフォームの可否を分ける最大のポイントになるのです。
これらのポイントを踏まえ、お住まいが「マンション」か「戸建」かによって、リフォームの可否がどう変わるのかを具体的に見ていきましょう。お住まいがマンションか戸建かで、リフォームの自由度は大きく変わります。
【マンションの場合】最大の壁は「管理規約」
残念ながら、新築時に追い焚き機能がなかった中古マンションの多くは、後付けが難しいのが現実です。
追い焚き配管を通すには、給湯器が設置されている屋外(バルコニーなど)と浴室を繋ぐ穴(スリーブ)が必要です。
しかし、マンションの壁(コンクリート躯体)は、建物全体の強度を支える非常に重要な「共用部分」です。そのため、ほとんどのマンションでは、管理規約によって「コンクリートの壁に新たに穴を開ける工事(コア抜き)」が厳しく禁止されています。
この規約がある限り、物理的に配管を通せず、追い焚き機能の追加は断念せざるを得ません。なので、追い焚き機能を求める場合は、すでに追い焚き機能が備わっているマンションを選ぶ必要があります。
【戸建の場合】基本的には後付け可能!
戸建住宅の場合、マンションのような管理規約の制約がないため、追い焚き機能の後付けはほとんどのケースで可能です。
ただし、いくつか確認すべきポイントがあります。
- 給湯器の設置場所と浴室の距離
給湯器と浴室が離れすぎていると、配管が長くなり、熱効率が低下します。また、配管工事の費用も高くなります。 - 壁の構造
配管を通すために外壁に穴を開けますが、壁の中に筋交い(建物の耐震性を高める部材)がある場所は避けなければなりません。適切な位置に穴を開けられるかの確認が必要です。 - 給湯器の号数(パワー)
家族の人数やライフスタイルに合わせて、十分なパワーを持つ給湯器を選ぶ必要があります。シャワーとキッチンで同時にお湯を使っても問題ない24号などがおすすめです。
追い焚き可能か見分ける方法
追い焚き機能の有無は、中古マンションや中古戸建てを検討する際、不動産会社から説明があるとは思いますが、現地を内覧の際に念の為、自身の目でも確認しておきましょう。
◎給湯器のリモコンを見る
キッチン周りや浴室にある給湯器のリモコンに「追いだき」「自動」「ふろ自動」といったボタンがあれば、追い焚き機能付きです。
- 「追いだき」「ふろ自動」「自動」等のボタンがあれば → 追い焚き機能付きです。
- 「さし湯」「高温さし湯」「あつく」等のボタンしかなく、「追いだき」ボタンがなければ → 差し湯機能のみで、追い焚きはできません。


◯浴槽に「銀色の丸い金具」があるか見る
お風呂の浴槽の中を覗いてみてください。壁面に銀色(または白色)の丸い金具が一つ(古いタイプでは二つ)付いていれば、それが追い焚き機能の心臓部である「循環アダプター」です。

ここから浴槽のぬるくなったお湯を吸い込み、給湯器で温め直したお湯を勢いよく吹き出すことで、浴槽全体のお湯を効率よく循環させています。この金具があれば、追い焚き機能付きと考えてほぼ間違いありません。
確認の仕方はその他にも、
- 給湯器本体の配管をチェック
- 給湯器の「型番」を調べる
などもありますが、難易度も高く手間ではあるので、その辺りはリフォーム会社に任せておきましょう。
また、浴槽(ユニットバス)や給湯器をリフォーム交換しない場合、空き家になってた期間がそれなりにあるのであれば、購入検討時に動作確認をしておいた方が望ましいです。
空き家期間の目安
- 要注意ライン:空き家期間「3ヶ月以上」
このあたりから、給湯器内部の電子部品が湿気で不具合を起こし始めたり、リモコンの電池が切れたりといった軽微なトラブルが増え始めます。動作確認を推奨します。 - 高リスクライン:空き家期間「1年以上」
これはかなり注意が必要です。長期間通電・通水していないと、以下のような深刻なトラブルのリスクが高まります。- ポンプの固着:追い焚き用の循環ポンプが動かなくなる。
- 電子基板の故障:湿気やホコリによる腐食やショート。
- パッキン類の劣化:ゴム製の部品が硬化し、通水した途端に水漏れを起こす。
- 凍結による破損:寒冷地で「水抜き」が適切に行われていない場合、内部の配管が破裂している可能性があります。
したがって、「3ヶ月以上」空いていた場合は動作確認を検討し、「1年以上」の場合は必須と考えるのが安全です。
追い焚きリフォームの費用相場と工事内容
追い焚きリフォームの費用は、お住まいの状況や工事内容によって変動します。
| 工事パターン | 主な工事内容 | 費用相場(目安) |
|---|---|---|
| ① 給湯器の交換のみ (既存の配管を利用) | ・既存給湯器の撤去 ・追い焚き機能付き給湯器の設置 | 15万~35万円 (給湯器の性能による) |
| ② 配管工事+給湯器交換 (配管を新設) | ・壁の穴あけ工事 ・追い焚き用配管の敷設 ・給湯器の交換 ・壁や床の補修 | 30万~60万円 ※戸建は費用を抑えられる傾向あり |
| ③ ユニットバスごと交換 | ・既存浴室の解体・撤去 ・配管工事 ・給湯器の交換 ・新規ユニットバスの設置 | 80万~200万円 (ユニットバスのグレードで大きく変動) |
【代替案】もし追い焚きが難しい場合は?
万が一、追い焚きの後付けが難しいと判明しても、がっかりする必要はありません。最新のバスルーム設備には、快適さを高めるための優れた代替案があります。
- 代替案1:高断熱浴槽を導入する
「魔法びん浴槽」などの高断熱浴槽は、4時間経っても温度低下がわずか2.5℃程度という驚きの保温性能を誇ります。これなら、家族の帰宅が遅くなっても、温かいお風呂が待っています。 - 代替案2:浴室暖房乾燥機を設置する
冬場の浴室の寒さを解消し、ヒートショック対策にもなる設備です。浴室全体の温度が下がりにくくなるため、浴槽のお湯が冷めるペースを緩やかにする効果も期待できます。
まとめ:後悔しないために、契約前にリフォームの可否や概算費用を把握しておこう
中古住宅における追い焚き機能の後付けリフォームについて、戸建とマンションそれぞれのケースに分けて詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 戸建の場合: 追い焚き機能の後付けはほとんどのケースで可能です。ただし、給湯器の設置場所や壁の構造によって工事内容や費用が変わるため、事前の現地調査が重要になります。
- マンションの場合: 管理規約の確認が最優先です。共用部である壁への穴あけ(コア抜き)が禁止されていることが多く、その場合は後付けができません。購入前に追い焚き機能の有無を確認することが賢明です。
- 追い焚きが難しい場合: 最新の高断熱浴槽や浴室暖房乾燥機を導入することで、追い焚きがなくても快適なバスタイムを実現する方法があります。
「この物件なら追い焚きにできるかな?」「うちの家に後付けする場合、総額はいくらになるんだろう?」
こうした疑問やご不安は、物件の状況を実際に見てみなければ正確にお答えすることができません。特に中古住宅の購入を検討されている場合、契約前にリフォームの可否や概算費用を把握しておくことが、後悔しないための最も大切なステップです。
その点、弊社は社内に不動産事業部(ハウスドゥ中地南)もあり、不動産の購入からリフォームまでワンストップで進められるのが大きな強みです。
「気になる物件の内見にリフォーム担当者も同行して、物件価格とリフォーム費用を合わせた総額で、住宅ローンや資金計画の相談をしたい」といったご要望にも、窓口一つでスムーズにお応えできます。
姫路市やその周辺で中古住宅の購入とリフォームをあわせてお考えの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。お客様にとって最高のバスライフと住まい探しを、責任を持ってお手伝いさせていただきます。
