
「立地や価格は申し分ないのに、いざ内覧してみたら想像以上に汚れていてがっかり…」中古物件探しでは、そんな経験をすることも少なくありません。特に、前の住人の使い方によっては、築年数が浅い物件でも、部屋全体に油汚れがこびりついていたり、水まわりの設備がボロボロだったりするケースがあります。
「このままではとても住めないけれど、全体をリフォームすると費用が心配…」と、購入をためらってしまうかもしれません。しかし、諦めるのはまだ早いです。まだ使える設備はクリーニングで活かし、劣化が激しい部分だけを最新の設備に交換し、内装を全面的に刷新する。そんな賢いリフォーム計画なら、ご予算を抑えながら、まるで新築のような清潔感と快適さを手に入れることができるのです。
今回は、他社の仲介で不動産を購入された後、リフォームを弊社に依頼していただいた姫路市飾磨区・築16年のマンションリフォーム事例をご紹介します。
ご依頼の背景と施主のご要望
今回リフォームをご依頼いただいたのは、姫路市飾磨区の築16年のマンションを購入されたご家族。他社の仲介で不動産を購入された後、リフォーム会社3社の相見積もりを経て、弊社にリフォームを依頼していただきました。
物件は築年数の割にはかなり汚れた状態でした。油っぽい汚れが部屋全体に蔓延っており、施主がこのまま住むのは厳しい状態でした。設備はキッチンとトイレがボロボロな状態でしたので、内装と合わせて新しくしたいという要望がございました。
姫路市飾磨区の築16年のマンションを購入され、入居前のリフォームをご依頼いただきました。物件は状態はかなり汚れがひどく、水回りも古かったため新しくしたいという要望もございました。
- キッチン: かなり汚れがひどいキッチンと、視界を狭くしてしまっている吊り戸
- トイレ: 便座がない状態で、汚れもひどく、水栓部分も壊れている
- 内装:全体的に油汚れがはびこっている
- 和室:畳が傷んでいる
- 浴室や洗面:汚れてはいるものの、物自体はまだ使用できる状態
築16年なので新しめのマンションではあるのですが、元々住んでた方の住み方の影響を多いに受けており、かなり汚れや劣化が見られる状態でした。予算の中でこれらの課題を解決するため、内装の刷新と劣化のひどい水まわり設備の交換を行うリフォームがスタートしました。
- 油汚れの印象を払拭し、清潔感あふれる明るい住まいへ
- 部屋全体に蔓延していた油汚れを一掃し、内装を全面的にリニューアルしました。コストを抑えられる上張り工法を採用した床は、ペットにも配慮されたLIXILの「うわばReフロア」で、温かみのある「モルトオーク」色をセレクト。壁や天井は白を基調に張り替え、一部にアクセントクロスを取り入れて個性をプラスしました。キッチン扉は落ち着いた木目調の「スモークウッド」を選ぶなど、全体のカラーバランスを整えることで、見違えるようにクリーンで明るい空間へと生まれ変わりました。
- 間取りはそのままに、視線の工夫で開放感を創出
- 大規模な間取りの変更は行わず、既存のレイアウトを活かしました。大きな変化は、リビングへの視界を遮っていたキッチンの吊り戸と壁を撤去したこと。これにより、リビングからの光がキッチンまで届くようになり、視線が抜けることで、調理中も家族の様子が感じられる開放的なスペースが実現しました。また、和室も壁はそのままに畳をフローリングに張り替えることで、LDKとのつながりがスムーズな半洋室空間となっています。
- 清掃性を重視し、手入れのしやすい快適な水まわり空間へ
- 特に汚れや劣化がひどかったキッチンとトイレは、LIXILの製品に一新しました。キッチンは、これまでタイル貼りだった壁をサッと拭き掃除ができるキッチンパネルに変更し、日常のお手入れのしやすさが大幅に向上。トイレも新しい便器に入れ替え、床や壁も明るい色で統一することで、清潔感あふれる空間になりました。一方で、まだ十分に使える洗面化粧台は交換せずクリーニングで対応するなど、予算内で最大限の効果を発揮する工夫が凝らされています。
物件概要
| 物件種別 | マンション |
| 住所 | 兵庫県姫路市飾磨区 |
| 竣工年月 | 2009年(リフォーム当時 築16年) |
| 構造 | SRC(鉄骨鉄筋コンクリート) |
| 工事箇所 | 表層+水回り(キッチン・トイレ)交換+和室の床変更 |
リフォーム内容
- 水回りの交換(キッチン・トイレ)
- 内装工事(床材の上張り、壁紙・天井クロス張り替え、畳をフローリングに変更、襖の張替えなど)
【キッチン】吊り戸壁を壊し、視界の良い明るい人造大理石のキッチンに
Before:かなり汚れがひどいキッチンと、視界を狭くしてしまっている吊り戸
元々のキッチンはかなり汚れがひどい状態でした。レンジフードにもサビが発生しており、そのままで使用するには難がありました。また吊り戸がリビングへの視界を遮っており、キッチンエリアも照明を付けないと少々暗い印象になっていました。




After:吊り戸壁を壊し、視界の良い明るい人造大理石のキッチンに
今回のリフォームでは、キッチンのカップボードは不要でかつ、吊り戸の部分の壁を解体し、視界を良くしてキッチンエリアを明るくしたいという要望でした。そのため、壁の解体とキッチン交換をし、タイルだった箇所はキッチンパネルにしたことで、スッキリ感や掃除のしやすさが向上しました。
システムキッチンは、LIXILの「シエラS」に入れ替えました。



キッチンの扉の色は、部屋全体に馴染む茶色をベースにした「スモークウッド」でセレクト。またワークトップは、人造大理石の「ベーシックホワイト」を採用。茶色と白のバランスが合っています。

スモークドウッド

シャインニッケル

人造大理石 ベーシックホワイト
吊り戸の壁を撤去したことで、リビングからの明かりがキッチンの方にも差し込みやすくなりました。また視界も開けるようになり、リビングの様子や外の様子も感じ取りやすくなりました。
シンプルでスタイリッシュなデザイン、多様なカラーコーディネート、使い勝手に優れた収納、そして高機能な水栓金具や食洗機などを特徴とし、幅広い空間に調和する製品が展開されています。シエラSは、LIXILのキッチンラインナップの中で、手頃な価格帯でありながら高機能なスタンダードグレードに位置づけられます。
【トイレ】壁リモコン式で清潔感のあるトイレスペースに


元々のトイレは便座がなく、タンクのフタ部分もきちんと収まっていない状態でした。またかなり汚れがひどく、便座だけを新設してそのまま使うのは難でした。
トイレは、LIXIL アメージュに交換。トイレは通常、右に水洗レバーがあるのですが、今回は左レバーに特注変更して対応いたしました。
壁紙はもちろん、床のクッションフロアも張り替えています。壁も床も明るい白色にしたことで清潔感のあるトイレになりました。
リクシルのトイレ「アメージュ便器」は、さまざまな排水方向や幅広い排水芯に対応し、現場のニーズに合わせて選べる組合せ便器です。
【洗面】まだ使える洗面化粧台は残し、クリーニングで対応


予算のこともありましたので、きれいでまだ使える洗面化粧台は交換をせずにクリーニングで対応しました。洗濯パンはかなり汚れが酷かったのですが、破損しておらず、こちらもまだ使える状態だったため、クリーニングで対応しました。壁紙や床(クッションフロア)は張替えをし、清潔感のある洗面室になりました。
設備などまだ使える場合、クリーニングで対応することでリフォームコストを下げることはできます。ただし万能ではないので、染み込んでしまった汚れを落とすことは難しくなります。
【内装】 床は上張りでコストを抑えつつ、アクセントクロスも加え、好みの雰囲気に変更


以前に住まわれていた方はペットを飼っていたためか、内装全体かなり汚れひどく、壁の損傷を自分で補修している箇所が何箇所かありました。
表層リフォームとして、壁紙を張り替え、床は上張りで対応いたしました。まず壁紙は白色をベースにし、一部アクセントとして色を変えています。
そして床は、元々LDKの箇所に床暖房があり、マンションの遮音性能のことや、施主もペットを飼われているということだったので、LIXILの「うわばReフロア」を採用しました。色は施主の好みの「モルトオーク」を採用。

既存の床の上から張るだけの重ね張り工法なので、工事にかかる期間を短縮できます。カッターでカットできるので、施工時の騒音を軽減できます。また、解体作業による粉塵や廃材が少なく、リフォーム現場に適しています。床暖房対応、水まわりのリフォームにもおすすめ、マンションの直張りフロアにも施工可能です。







一部だけ、壁紙の色を変え、アクセントを付けています。


【和室】床を畳からフローリングに変更
和室の畳は、経年変化で色褪せており、くすんだ色になっていました。


マンションの場合、LDKに隣接した「和室」という間取りが非常に多いです。
リフォームをする際、「和室をどうするか?」は悩むところでもあります。大きく分けると以下の3通りです。(掛かるコストは1<2<3)
- 和室のそのまま活かす(畳や襖の張替えをする)
- 畳をフローリングに変える(襖は張替えをする)
- 和室を洋室化する
今回のリフォームでは、畳をフローリングに変えることにし、コストを抑えながらも半洋室化にすることになりました。襖は張替えをしキレイにしました。
畳をフローリングにする場合、床の構造が異なるため、床材を張り替えるだけ済むということはありません。畳とフローリングの厚さが違う分、高さ調整をすることにコストが掛かってきます。
また和室の度合いによっても、洋室化する際のコストが変わります。壁が柱や梁が表しになっている真壁の場合、壁紙を貼るための下地材を設ける必要があるため、その分のコストが掛かってきます。今回は、壁や天井は大壁でしたので、洋室化に伴う余計なコストを抑えることができました。



【玄関】塩ビタイルの上張りで清潔感のある玄関に
玄関タイルもかなり汚れていました。タイルのためそのまま使用しクリーニングで対応することも案としてありましたが、塩ビタイルを上張りすることになりました。結果、清潔感のある玄関になりました。


リフォーム費用について
今回のリフォーム(キッチンとトイレの交換+内装+網戸や襖の張替え等)の総額は、約250万円(税込)でした。
<費用の目安>
- キッチン交換: 約80万円
- トイレ交換:約19万円
- 内装工事(床の上貼り、壁天井の張替え、襖や網戸の張替え、木部の補修等): 約151万円
今回のリフォームでは、最初の施主からの要望としては、「床のこの部分だけリフォーム」「この部分の床はリフォームしない」と部分リフォームを求められていました。しかし、部分リフォームは完成後に後悔しやすいことを説明し、予算にまだ余裕があるのなら表層全体はした方がいいことを提案させてもらい、結果、全体をリフォームすることになりました。
また、今回の事例のように「他社の仲介で家を購入したけれど、どこにリフォームを頼めば良いだろう?」とお悩みの方も、どうぞご安心ください。弊社では、相見積もりを通じてじっくりとご検討いただくことを歓迎しております。床を上張り工法にする、設備のグレードを調整するなど、限られたご予算内で満足度を最大化する工夫をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。


