はい、設置できます。オール電化住宅でも、新たにガス契約を結べば「乾太くん」の設置は可能です。マンションも可能です。ただし、クリアすべきハードルがいくつかあります。
「洗濯物が乾きにくい」「生乾きのニオイが気になる」「もっと家事を楽にしたい」
そんな悩みを解決してくれると話題のガス衣類乾燥機、リンナイの「乾太くん」。パワフルな乾燥力と仕上がりの良さで人気が高まっています。

導入を検討する上で一番気になるのが「結局、総額でいくらかかるの?」という費用面ではないでしょうか。
新築の場合は「乾太くん」使用前提で設計をすればいいのですが、リフォームの場合はいくつか解決しなければいけない壁もございます。それをクリアできれば、戸建てはもちろん、条件さえクリアすればマンションやオール電化住宅への設置も可能です。
この記事では、「乾太くん」の魅力から、見落としがちな工事費、そして住居形態別の注意点まで、リアルな総額費用を徹底的に解説していきます。
なぜ人気?「乾太くん」圧倒的な3つの魅力
多くの家庭で支持される「乾太くん」。電気式乾燥機とは一線を画す、その実力を見ていきましょう。
1. 圧倒的な乾燥スピードで時短を実現
何と言っても一番の魅力はそのパワー。ガスの強力な温風で、電気式の約1/3の時間で洗濯物を乾かせます。5kgの洗濯物なら約52分、大家族向けの8kgでも約80分で完了。1日に複数回洗濯機を回す家庭でも、”干す”手間から解放され、家事の時間を大幅に短縮できます。
2. ふんわりとした極上の仕上がり
ガスのパワフルな温風は、繊維を根元から立ち上げ、まるで新品のタオルのような「ふわふわ」な仕上がりを実現します。コインランドリーの乾燥機と同じ仕組みなので、自宅で手軽にプロの仕上がりを実感できます。
3. 生乾き臭の原因菌を99.9%カット
部屋干しの嫌な「生乾き臭」。その原因「モラクセラ菌」は、80℃以上の高温風で乾燥させる「乾太くん」の前では繁殖できません。外干しや日光消毒でも除去しきれないニオイの元を徹底的に除去。花粉やPM2.5が付着する心配もなく、いつでも清潔な衣類を身につけられます。
などの特徴があります。
- 洗濯物が、1時間で乾く。
- すぐ乾くから、低コスト。
- アイロンも、時短できる。
- 太陽よりも、ふんわり仕上がる。
- パワフル温風で、生乾き臭を除去。
- ドラムの中を、いつも清潔に。
- 花粉中のアレル物質を軽減。
- 心配なウイルスも、しっかり除去。
- ペットの毛が、キレイに取れる。
「乾太くん」には、機能が充実した「デラックスタイプ」と、シンプルな「スタンダードタイプ」の2種類があります。2023年にはデラックスタイプがモデルチェンジし、さらに大容量・高機能になりました。最新の価格や仕様は公式サイトでご確認ください。
【戸建てリフォーム編】見落とし厳禁!「乾太くん」の設置にかかる総費用
「乾太くん」の導入費用は、本体価格だけでは終わりません。 設置場所の状況によって、以下の部材費や工事費が別途必要になります。
1. 本体以外の必須オプション部材
- 専用台: 洗濯機の上や低い場所に設置する場合に必要(約2万~3万円)
- 排湿筒: 湿気を屋外に逃がすための筒と、外部フードのセット(約1.5万円)
- ガスコード: 本体とガス栓をつなぐ専用ホース(約0.5万円~1万円)
2. 設置場所に応じた追加工事費
- ガス工事: 近くにガス栓がない場合、新設工事が必要(約5万~10万円)
- コア抜き工事: 排湿筒を壁に通すための穴あけ工事(約1.5万~2万円)
- 電気工事: 近くにコンセントがない場合、増設工事が必要(約3万~5万円)
中古住宅にて洗面室に置く場合、設置に工夫も必要
最近の注文住宅では、洗面室を1.5坪(3帖)以上にして広めに設計される例が増えていますが、中古住宅の場合は1坪(2帖)の広さが多いため、洗面化粧台や洗濯機の配置を考えると、洗濯機の上に置くなどの工夫が必要になります。


最近では、純正品の専⽤台のほか、他のメーカーでもスライドカウンター付き専⽤台、壁取り付け式専⽤台、専用のランドリーユニットもあり、リンナイ側も推奨品として紹介してます。

(永大産業製)

(藤山製)

(LIXIL製)
中古住宅に多い1坪(2帖)サイズに合うものだと、永大産業の縦置きタイプがシンプルで良いですね。

【オール電化戸建住宅】乾太くん設置の注意点
「うちはオール電化だけど…」という場合、新たにガス契約を結べば設置は可能です。ただし、費用面で大きな注意が必要です。
選択肢1:プロパンガス(LPガス)を新規契約する
- メリット: 全国どこでも供給可能。工事も半日〜1日程度とスピーディー。
- デメリット: 料金が割高になる傾向。ボンベの設置スペースが必要。
選択肢2:都市ガスを新規に引き込む
- メリット: ランニングコストはプロパンガスより安い傾向。
- デメリット: 供給エリアが限られる。前面道路からの引き込み工事に数十万円単位の追加費用がかかる可能性が。
必ずチェックすべき契約事項
- 電気契約プラン: 「オール電化割引」が適用外になる可能性があります。
- 火災保険: 新たにガス設備を追加する場合、保険会社への通知義務が発生することがあります。
【マンションリフォーム編】設置前に必ず確認すべき点
マンションへの設置は、戸建てに比べてクリアすべきハードルが多くなります。何よりも先に「管理規約」の確認と管理組合への相談が不可欠です。
【最低条件】設置可否を判断する3つのポイント
- ガスが来ているか: オール電化マンションは設置不可。給湯器などでガスを利用していることが大前提です。
- 設置スペースと搬入経路: 本体は防火上、壁から4.5cm以上の離隔距離が必要です。一番小さい3kgタイプでも幅64cm、高さ66cm程度のスペースが求められます。
- 安全な外部作業スペースの確保(ベランダの有無):ガス乾燥機の排湿筒を設置するには、壁に直径11cm程度の穴を開け、外側から防水処理を施したフードを取り付ける必要があります。
【最重要】管理規約と構造上の6つのハードル
- ガス栓の増設は可能か: 管理規約で、給湯器・コンロ以外のガス栓増設が禁止されている場合があります。
- 壁への穴あけは可能か: マンションの外壁は「共用部」のため、個人の判断で穴を開けることは原則禁止です。既存のエアコンスリーブや換気口(直径11cm以上)を利用できないか確認しましょう。
- 排湿経路は確保できるか: 排湿管の長さは「2m以内、曲がり2回まで」とメーカーで定められています。外壁から離れた場所への設置は困難です。
- ベランダへの設置は可能か: ベランダも共用部のため、管理規約で機器の設置が禁止されていることがあります。
- 避難経路を塞がないか: ベランダ設置の場合、消防法で定められた避難経路(幅120cm以上)を必ず確保しなければなりません。
- 十分な給気は可能か: ガスを燃焼させるには多くの空気が必要です。換気が不十分だと不完全燃焼のリスクがあるため、給気口の有無や窓の位置も重要になります。
設置時の注意点:「冷気逆流問題」とその対策
最近の高気密住宅(特に新築や新しい住宅)で問題になっているのが、排湿筒からの「冷気の逆流」です。
衣類乾燥機を運転することで屋内の空気を外に排気します。気密性の高い住宅の場合、衣類乾燥機を使用後、室内が負圧になっていることから衣類乾燥機の排湿トップから外気を吸い込んでしまうことがあります。そうすると冬場などに部屋が寒くなってしまうことになる現象です。
この問題への対策として、未使用時にフタが自動で閉じる「ダンパー付き」の排湿管や排湿口ガイドといったオプション部材が用意されています。これらは空気の逆流を物理的にシャットアウトしてくれます。

「うちは新築じゃないから、ダンパーは不要?」と思われるかもしれません。
結論から言うと、中古住宅であっても「ダンパー付き」の部材を選択することを強く推奨します。
その理由は以下の通りです。
- 将来の「高気密化」に備えるため
中古住宅は新築に比べて気密性が低い傾向にありますが、今後リフォームを行う可能性はありませんか?例えば、断熱性能の高い二重窓(内窓)を設置したり、壁の断熱材を入れ替えたりすると、家の気密性は格段に向上します。その時に初めて冷気の逆流に気づいても、排湿管だけの交換は手間もコストもかかります。将来的な快適性を見越して、先行投資としてダンパー付きを選んでおくのが賢明です。 - 負圧以外のメリットが大きい
ダンパーの役割は、空気の逆流防止だけではありません。常に外部と繋がっている「穴」を塞ぐことで、以下のようなメリットも得られます。- 害虫の侵入防止: 開けっ放しの筒は、クモや虫などの侵入経路になり得ます。ダンパーはその物理的な防波堤となります。
- 強風時の風切り音や雨の吹き込み防止: 台風などの強風時に、排湿筒から「ヒューヒュー」という風切り音が発生するのを防ぎます。また、横殴りの雨が吹き込むリスクも低減できます。
- 外部からのニオイの侵入防止: 近隣の煙や、その他の不快な臭いが室内に侵入してくるのを防ぎます。
このように、ダンパーは家の快適性と防犯性・防虫性を高める重要な役割を担います。標準の部材に比べてわずかな追加費用はかかりますが、後から後悔しないためにも、中古住宅・新築を問わず、「乾太くんを設置するなら、ダンパーはセットで」と考えておくことを強くおすすめします。
【結論】パターン別・乾太くん設置の総額目安
工事費を含めたリアルな総額はいくらになるのでしょうか。住居形態別に見ていきましょう。
設置パターン | 総額目安 | 費用の内訳 |
---|---|---|
① 戸建て(ガス設備あり) | 約20万円〜 | 本体 + 部材 + 基本設置費 |
② 戸建て(ガスから新規設置) | 約30万円~ | パターン① + ガス/電気/コア抜き工事 |
③ 戸建(オール電化住宅) | パターン② + α | パターン② + ガス引き込み工事費(数十万円〜) |
④ マンション | 要相談 | 管理規約や構造の制約次第。パターン②に加え、追加費用が発生する可能性も。 |
「乾太くん」の製造メーカーであるリンナイの公式サイトでは、検討者向けに特設サイトを設けてますので、乾太くんを検討されている方はこちらもご覧ください。